2010年9月アーカイブ

冷熱エネルギーなどというと、何となく不可解な感じを持たれるかもしれません。


「冷たい熱」とは、そもそも何?


冷凍庫や冷蔵庫を思い出してください。


これらでは、電気モーターやガスエンジンを動力源として熱を移動させ、低温を実現しています。


低温を得るにはエネルギーが必要、つまり、低温とは、エネルギーが変換された結果とみなすことができるわけです。


したがって、低温をエネルギー源として使うことも可能。


熱エネルギーを取り出すためには、高温源と低温源が必要です。


普通は燃焼によって高温源を作り出していますが、常温よりぐっと低い低温源を作っても一向に差しつかえありません。


これがすなわち、冷熱エネルギーです。


LNGは、マイナス160度Cという超低温で送られてきます。


この冷熱を利用した発電がLNG冷熱発電です。


LNGに海水などを振りかけてやると、瞬間に膨張して体積は600倍に膨れ上がります。


ボイラーで蒸気を作ったのと同じ、あとはこれで夕ービンを回してやればいいでしょう。


実際には、LNGの冷熱をいったんプロパンなどの他の物質に移し、同じ原理でタービンを回す方法が多くとられています。


LNG冷熱発電は、昭和54年に大阪ガスで1450キロワットの自家用実用プラントがスタートし、10年ほど前の時点で、全国で約10基のプラントが稼動しています。


発電以外にも、LNG冷熱はさまざまな使い途があります。


例えば、液体窒素や液体酸素、液化炭酸ガスなどの製造。


酸素はマイナス183度C、窒素はマイナス196度C、アルゴンはマイナス186度Cで液化します。


従来の方法では空気を液化して酸素、窒素、アルゴンなどを分離するのに大変な電力を必要としていましたが、LNG冷熱利用によって、50%以上もの電力節約が可能になりました。


身近なところでは、冷凍食品の製造が挙げられます。


きわめて低い温度で瞬間的に凍結させるので、おいしさはそのままですよね。


また、超低温倉庫も実用化されています。


日本は資源小国、輸入したエネルギー源から少しでも多くのエネルギーを絞りとってやろうというのがLNG冷熱利用。


しかし、外国ではフランスの空気液化分離1カ所のみで、今のところ、日本だけの専売特許なのです。


都市ガス産業の生みの親となった石炭。


今では、都市ガス原料としてはほぼ忘れられた存在で、コークス炉がいくつか動いているのみです。


それも目的はコークスにあって、ガスはむしろ副産物です。


しかし、石炭は豊富な資源。


これを放っておく手はないと、石油ショック以後、石炭を完全ガス化して天然ガスと同じ成分のガスを作り出す研究が開始されました。


この研究は、一時アメリカで盛んだったのですが、天然ガスの価格が下がったことや技術的な問題から、今では下火になっています。


日本でも、サンシャイン計画の一環としてパイロットプラントが一基運転されていますが、残念ながら実用化には、まだかなり時間がかかりそうです。


一方、重質油から天然ガスを作る研究も進められています。


最近の石油製品は、ガソリン、灯油、軽油などの中・軽質油が売れ、重質油は人気が薄くなっています。


余った重質油で天然ガスが作れたら、エネルギー対策の点でも有利です。


10年ほど前、大阪ガスで重質油から中・軽質油を抜き出し、その残りから天然ガスを作るパイロットプラントが運転されていました。


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