2010年11月アーカイブ

長花柱花の花粉と短花柱花の花粉は大きさが違うため、区別して計数することができます。

長花柱花の花粉と短花柱花の花粉はそれぞれ、口器の異なる部分にかなりの程度分離して付着していることがわかります。


これらは、京都大学のある博士が苦心してとった貴重なテータです。


このような花粉のつき分けは、異型花柱性にみられる、特殊な花の形態がどのように進化してきたのかという、ダーウィンの仮説を支持するものでもあります。


そしてこれは、ダーウィンがプリムラ・ベリスで行った実験の、サクラソウを材料とした場合の追試であり、しかも定量的な形で示された例です。


トラマルハナバチの女王の舌での花粉のつき分けは、肉眼でもある程度は観察可能です。


また、ビデオで撮ればさらに観察しやすいですよ。


長花柱花から抜いた舌では先のほうに、短花柱花から抜いた舌では元のほうに、黄色い花粉がついているのがみえるはずです。


・・・このような明瞭な花粉のつき分けは、トラマルハナバチがサクラソウの異なる花型の間での花粉のやりとりを促進するのに有効であることを示唆します。

花の形態にはクローンごとに、あるいは花ごとにも多少の変異はありますが、花筒の長さは平均すれば13ミリぐらいです。


それはトラマルハナバチ女王の舌の長さに等しいか、やや短いです。


細くて長い花筒の底に蜜がある花では、舌の短い昆虫は蜜が吸えません。


ですから、そのような昆虫は花を訪れても、せいぜい花粉を食べるぐらいです。


ちょうど舌の長さと同じぐらいの長さの細い筒状の花で昆虫が蜜を吸うとき、まるで刀がさやに納まるように、舌は花の筒にぴったりと納まります。


花粉が葯を離れて舌に付着するのはその時です。


サクラソウの花を訪れたトラマルハナバチ女王の舌では、異型花柱性に期待される「花粉のつ研き分け」が観察されます。


それは、トラマルハナバチのポリネータとしての有効性を示す最も重要な証拠です。


つき分けは、サクラソウを訪花したトラマルハナバチ女王を捕らえて、その口器の付着花粉を走査型電子顕微鏡で調べることで確認できます。

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