冷熱エネルギーなどというと、何となく不可解な感じを持たれるかもしれません。


「冷たい熱」とは、そもそも何?


冷凍庫や冷蔵庫を思い出してください。


これらでは、電気モーターやガスエンジンを動力源として熱を移動させ、低温を実現しています。


低温を得るにはエネルギーが必要、つまり、低温とは、エネルギーが変換された結果とみなすことができるわけです。


したがって、低温をエネルギー源として使うことも可能。


熱エネルギーを取り出すためには、高温源と低温源が必要です。


普通は燃焼によって高温源を作り出していますが、常温よりぐっと低い低温源を作っても一向に差しつかえありません。


これがすなわち、冷熱エネルギーです。


LNGは、マイナス160度Cという超低温で送られてきます。


この冷熱を利用した発電がLNG冷熱発電です。


LNGに海水などを振りかけてやると、瞬間に膨張して体積は600倍に膨れ上がります。


ボイラーで蒸気を作ったのと同じ、あとはこれで夕ービンを回してやればいいでしょう。


実際には、LNGの冷熱をいったんプロパンなどの他の物質に移し、同じ原理でタービンを回す方法が多くとられています。


LNG冷熱発電は、昭和54年に大阪ガスで1450キロワットの自家用実用プラントがスタートし、10年ほど前の時点で、全国で約10基のプラントが稼動しています。


発電以外にも、LNG冷熱はさまざまな使い途があります。


例えば、液体窒素や液体酸素、液化炭酸ガスなどの製造。


酸素はマイナス183度C、窒素はマイナス196度C、アルゴンはマイナス186度Cで液化します。


従来の方法では空気を液化して酸素、窒素、アルゴンなどを分離するのに大変な電力を必要としていましたが、LNG冷熱利用によって、50%以上もの電力節約が可能になりました。


身近なところでは、冷凍食品の製造が挙げられます。


きわめて低い温度で瞬間的に凍結させるので、おいしさはそのままですよね。


また、超低温倉庫も実用化されています。


日本は資源小国、輸入したエネルギー源から少しでも多くのエネルギーを絞りとってやろうというのがLNG冷熱利用。


しかし、外国ではフランスの空気液化分離1カ所のみで、今のところ、日本だけの専売特許なのです。


都市ガス産業の生みの親となった石炭。


今では、都市ガス原料としてはほぼ忘れられた存在で、コークス炉がいくつか動いているのみです。


それも目的はコークスにあって、ガスはむしろ副産物です。


しかし、石炭は豊富な資源。


これを放っておく手はないと、石油ショック以後、石炭を完全ガス化して天然ガスと同じ成分のガスを作り出す研究が開始されました。


この研究は、一時アメリカで盛んだったのですが、天然ガスの価格が下がったことや技術的な問題から、今では下火になっています。


日本でも、サンシャイン計画の一環としてパイロットプラントが一基運転されていますが、残念ながら実用化には、まだかなり時間がかかりそうです。


一方、重質油から天然ガスを作る研究も進められています。


最近の石油製品は、ガソリン、灯油、軽油などの中・軽質油が売れ、重質油は人気が薄くなっています。


余った重質油で天然ガスが作れたら、エネルギー対策の点でも有利です。


10年ほど前、大阪ガスで重質油から中・軽質油を抜き出し、その残りから天然ガスを作るパイロットプラントが運転されていました。


LNGは、気化した後、熱量調整をしただけで送り出すことが本来の使い方です。


しかし、ナフサやLPGと同じように、分解して水素を得ることもできます。


LNGはガス化の工程がシンプルであり、発熱量も高いため、同じ口径のパイプラインでより多くの熱量が運べたり、同じガスホルダーでも多くの熱量を貯蔵できるという利点があります。


ただ、LNGは、海外での開発、輸送手段、導入設備等に大規模で莫大な資金を必要とするので、投下資本回収のためにフル生産される必要があります。


・・・こうした背景から、ガスの需要量の変化に合わせて輸入量(導入量)を臨機応変に変えることはむずかしいのです。


このため、貯蔵用の保冷タンクを設けて備蓄したり、ナフサ、またはLPGから需要調整用の天然ガスを作るSNGプラントを設けて需要変動に応じる必要があります。


なお、LNGは超低温であるため、冷熱利用が行なわれています。


その性質を有効に生かして、ガス製造以外の種々な冷熱利用が行われているのです。


特にLNGの増加にともない、産地によって異なる天然ガスの熱量を1立方メートル当り1万1000キロカロリーに統一するための増熱用としての利用が増加しています。


3つめはナフサ同様、分解して、水素を主成分とするガスやメタンを主成分とするガスを作る原料用です。


オイルショック後、ナフサとLPGの価格が抜きつ抜かれつし、またLPGの需給が逼迫したりしたこともあって、両方の原料が使えるようにしている事業者も多いです。


最後はストレート供給。


プロパンをそのまま供給する方式で、熱量は2万4000キロカロリーです。


LNG


LNGは、LPGと同じように常温にもどすだけでガスになります。


しかし、マイナス160度Cという超低温であるめ、LPGに比べて大量の熱を与える必要があります。


熱源としては海水、または温水が使われます。


海水を使う方式には、高圧のLNGが通るチューブの周囲から大量の海水をかけるオープンラック式と、海水とLNGの間に熱媒体を介在させる中間媒体方式等があります。


温水を使う方式には、水中バーナーで作った温水中のチューブにLNGを通すサブマージド方式があります。


気化させたLNGは、LPGで熱量を調整したのち、そのまま高圧で大量に送り出すことができます。



LPG


LPGは、低温で液化したものは常温に、圧力をかけて液化したものは常圧にするだけでガスになります。


家庭用や自動車用のLPGは常圧にする方式です。


一般に液体が蒸発する時、周囲から蒸発潜熱を奪います。


ですから、LPGをガス化するためには、この熱を与えなければなりません。


家庭用などの小規模なものでは、ボンベに大気から入る熱で十分。


しかし、大規模になりますとそれでは間に合わないので、温水や蒸気で加熱してやる必要があります。

この熱を与えてLPGを蒸発させる装置を、べーパライザー(気化器)と呼んでいます。


気化したLPG、すなわちプロパンまたはブタン(都市ガス原料としては主としてブタン)の都市ガス用としての利用には4つあります。


1つは、1立方メートル当り3万2000キロカロリーのブタンに空気を混ぜ、7000キロカロリーに下げて供給する方式。


このガスは「ブタン・エアーガス」と呼ばれています。


空気を混ぜるのは、ブタンのままではわずかの圧力でまた液体になってしまうからです。


この方式は、比較的小規模な都市ガス事業者で使われています。


2つめは、石炭ガス、ナフサ分解ガス、天然ガスなどと混合して供給するガスの熱量をあげるための増熱用です。


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